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11日目!ディナンと最後の夜 [ブルターニュ-フランス-]

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祖父母どのの家を辞去したオレ達は
サンマロ近くにあるディナンという街に向かった。

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そこにブルターニュ名物ガレットの
美味しいレストランがあるらしい。


途中でジャンヌの妹カトリーヌと合流し
そこへ行こうという話になったのだ。
 
euro2205.JPG
ディナンは谷間にある静かな街だ。
ハーフティンバー様式の古い建物とひなびた空気は
まるで中世ヨーロッパに迷い込んだような気持ちにさせる。

Witch_Burning_R.jpg
ってか、広場に出たらまだ火炙りとかやってんじゃね?的な印象すら漂わせている。

川べりでは夕涼みを楽しむ人たちが
ベンチに腰を降ろしくつろいでいる。

観光地としての魅力もさることながら
のんびりとバカンスをするのにも最高の場所だろう。

しかし、我々の目的はそば粉で作られたクレープ、
ガレットを食い漁ることである。

街の観光などではない。

だいたい地元民のジャンヌ達は
この街になんの物珍しさも感じておらず

カシャカシャと写真を撮るオレを奇異の目で見つめる始末だ。

Brittany139.jpg
その視線に絶えきれず、こんな街、日本にねぇんだよ!と抗弁したが
中学高校をここで過ごした彼女たちから
「こんなしょうもない街で写真?何を考えてるのかしら?」
という視線は消えない。

凄まじいまでの温度差である。

そして、そうこうする内におすすめのレストランに到着した。

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そしてガレットをむしゃぶり食うオレ。

日本でも食べられるが、

オレはそんなオシャンティな店は行ったことがないので
これが生まれて初めてのガレットである。
三人で談笑しながらの食事は実に美味しかった。

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実は明日、サンマロを離れパリに向かう予定だ。
そしてそのままオランダのアムステルダムへと向かう。

というのも、先日マルタ時代の友人が
Facebookにアップロードしたジャンヌとオレの写真を見て
「ヨーロッパを旅行してるんですか?」
「もしアムスに来るなら連絡下さいね」と
メッセージをくれたのだ。

ほたら、アムス行きますわ。
オレは即座にアムステルダム行きを決定していた。

まさにいきあたりばったりだが、
これでこそオレの旅らしい。

night.jpg
夜も更け、ジャンヌの自宅に戻ると
仕事帰りだというのに
駅までパシって下さったパパが
オレにアムス行きのチケットを渡した。

「これは軍人用チケットではないからなw」と懐かしい言葉を添えて。


明日、朝早く家を出るオレとご家族衆は
もう顔を合わすことはないだろう。

オレと彼らは抱擁を交わす。
するとシードル(リンゴサイダー酒)の代わりだと
アップルサイダーの入ったワイングラスを渡された。
「のび太はお酒飲めないでしょw」
そう笑う彼らと最後の乾杯を交わす。

そして庭に出ても車の音ひとつしない
オレ達の会話だけが響く
そんな静かな夜が更けていった。



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