オレ達はなんとなくアッチかな?という
どうしようもない方向感覚で
住宅街の中をフラフラと歩いていた。
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マルタの治安はかなりいい。
クラブ街の路地裏こそ若干危険だが
大通りには必ず警察がいるので意外と安全だ。
だが、真っ暗闇で人通りのない住宅地。
こういうところが意外と危なかったりするのだ。
(特にヤバイのは繁華街に近く住宅地)
イタリア人のルチアーノが襲われたのも
確か住宅街でのことだった。
ナンパした女性と、酔っぱらって歩いていると
もっと酔っぱらった不良集団にいきなり殴られたらしい。
かろうじて女性は逃がしたが、
財布や携帯は奪われたと聞いた。
むろん警察には行ったが、
話を聞くだけで彼らは何もしてくれない。
ほぼ完全に泣き寝入りの状態である。
ルチアーノかわいそう・・・
でもね?ナンパばっかしてっからこんな目にあうんだよ!ばーかw
〈海外では一対一で戦う漢は稀である、基本的には集団戦闘を行います。〉
ちなみにオレは関西でも屈指のガラの悪い場所で生まれた。
昭和を引きずるその街は
絶滅危惧種『ヤンキー』が未だ数多く生息する秘境である。
そして彼らの正義とは弱肉強食というものであった。
むろんそんな馬鹿げたルールに縛られたくない
我々草食動物たちは
全てのパラメーターを『逃げ足』というスキルに振り分けていた。
なので逃げ足だけはすごく自信がある。
だが、ここで何かトラブルがあったとして
サンドラを置き去りにその足で逃げる。
それはこの西洋フェミニズム社会においては
まさにミジンコにも劣る所業であり
もし発覚しようものなら『エンロン事件』ばりに
のび太関連株の大暴落はしてしまうだろう。
つまり敵に出会った場合、
オレの選択肢には『戦う』と『交渉』しか残されていないのだ。
ちくしょう!死んで英雄なぞオレはゴメンだぞ!
そんな不安のなか、サンドラとあっちかな?こっちかな?と
さまよううちに、オレ達は無事よく知る通りへとたどり着くことが出来た。
宿舎まではあと10分。
ほっと胸をなでおろし、サンドラを見ると
「ちょっとした冒険でしたよね」と笑っている。
そうだねw実はかなり怖かったんだwとオレも笑う。
お互いが緊張から解き放たれたからか、
自然に笑みがこぼれる。
その内にオレ達はなんとなくテンションがあがり、
また路地裏へと足を踏み入れるのである。
そう・・・ウサギ肉を食べに!
脚注
うさぎディッシュはマルタの名物料理です。
骨がジャマだけどうまかったです。
クラブ街パーチビルについて補記パーチビルですが警察がいるので安全!というのは少し語弊がありました。
矛盾というかパラドックスに近いのですが
正確には『危険だから警察がいる』=『だから安全』という方式が成り立っています。
またバカンスシーズン(7-8月)の週末はウンカの如くケンカが発生します。
だいたいのパターンが
地元のヤンキーVS海外のナンパ師です。
賞金の女の子は勝負がつく前(ポリス襲来前)に
逃げてるから喧嘩するだけムダなのにねw
なによりこのシーズンの週末はすごい人混みですので
クラブ自体あまりオススメできません。
あと、クラブ内では
スリに気をつけてください。
オレの周りで言うと十人に一人はスられています。
特に女性はポッケのないドレスを着る機会も多く、
バックに貴重品が集中しますので
カモになりやすいです。
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2015-06-18 17:05
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