<怪しいチェコシリーズ01>
ニネからメッセージが入ったのはホテルに戻り一息をつく夜の十時頃だった。
Sponsored Links
マルタで知り合ったこのメキシコ人は
現在、フィレンチェに留学している。
もともとオレの方からフィレンチェに出向く予定だったのだが
彼女も休暇が取れたらしく
「いっそヴェネツィアで会わないか?」と持ちかけてきたのだ。
どちらにせよオレは
ヴェネツィアを訪れようと考えていた。
だが、ヴェネツィアとは水の都である。
さらに消息筋の情報によると
『元モーニング娘の某さん』のこの写真でわかるように
ロマンティックが止まらない街だそうだ。
そんな浮かれたロマンス街でひとりぼっち。
ひょっとしたら、のび太は泣いてしまうかも知れない。
だがニネと一緒なら、
オレも女連れということで
ロマンティックが止まらない派に入れるのだ。
ああ、わかってる。
それがマガイモノだということは。
だが、花のマガイモノの造花もあんなに美しいではないか!
マガイモノの何が悪い!
ちなみにホテルやフィレンチェに戻る電車のチケットも
オレの分まで手配してくれるらしい。
ええ娘や・・・ぜひ、この話に乗らせて頂こう!
そう、あとはオレが航空券を手に入れるだけなのである。
さっそくスマホで調べてみると
WizzAirなるまったく聞いたことのない航空会社が
プラハからヴェネチアに就航しているらしい。
早朝の便しかないが、価格は安いので何も問題はない。
さっそくオンライン決済を済ませ、
航空会社からの自動返信メールを受け取る。
メールにはURLが付記されており
そのアドレスのWebページでオンラインチェック後、
印刷をすればそれが航空券となるようだ。
航空券がとれた旨をニネに伝え
待ち合わせ場所を『明後日の正午、ヴェネチア駅』に決めると
オレは航空券を印刷するために
ホテルのフロントへと向かった。
あの悲しい喜劇が開幕されるとは夢にも知らずに。
Sponsored Links
2015-07-03 00:11
nice!(2)
コメント(0)
トラックバック(0)
共通テーマ:旅行
コメント 0