このトルコ料理くっそ美味い!
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世界三大料理!という割に
いつもガッカリをプレゼントしてくれるトルコ料理の常識を覆す旨さだ。
いや、オレはその評価自体を糺す気はない。
トルコ料理はぶっちゃけヨーロッパ人が食す機会が多いがゆえの三大料理であって
オレの舌ではその良さがよくわからないのも事実だからだ。
しかし、そんなオレがここの料理に舌鼓をうてるのも
セルカンに連れられたこのトルコ料理店がすさまじいからだろう。
ヨーロッパ方式とでもいうのだろうか?
オレの知るトルコ料理店とは違い
一品ずつ出されるそれは絶品の一言である。
「値段の割には美味しいよね。ここ」とセネムは言っているが
値段は絶対たけえよ!ここ!
伝票は恐ろしくて見ていないが、
いやもうマジ、ジーパンでごめんなさい。
そんな申し訳ないほど素敵な夜を過ごし
BMWでセルカンのマンションに戻る。
このマンションにはプールなる意味不明なものが
備え付けられている。
だが、オレ達は男二人と女一人のグループである。
そんなことよりすべきことがあるのだ!
そう深夜のゲーム大会だ!
セルカンの部屋にある
ムダにでかいプロジェクターの出番がやってきたのだ。
そして80インチのスクリーンに映し出されるマリオカート。
この家にあるWii版マリオカートはやったことはないが
オレも日本に生まれた男子である。
ファミコンに鍛えられた第一世代ゲーマーの大和民族を舐めるなよ!
そして始まってたった五分で「卑怯者!」と叫ぶ
セネムの声がオレの耳をつんざいた。
だが一体何が卑怯だというのであろう?だいたいマリオカートにスポーツマンシップなぞない。
これはレースの名を借りた性格の悪さを競いあう心理的ゲームなのである。
アイテムを拾い、それを相手の最もイヤがる場所で使う。
そしてキングオブ卑怯者こそが
憎しみと怨嗟の声の中で栄冠を手にする。
それがマリオカートの真髄ではないか。
従ってアイテムを拾う直前のセネムに雷が落ち
コースアウトしていったのは
このゲームでは当然の倫理なのである。
そしてセルカンもソレがわかっているので
周回遅れになったセネムにワザワザ甲羅をぶつけている。
セルカンさんw容赦ないっすw
「も、もう一回よ!」
セネムの声には憎しみが混じり始める。
そんなセネムを見てオレは優しく囁いた。
セネムちゃんはセルカンの卑怯なプレイの被害者ダネ。
ボク、心カラ同情スルヨ。
サァ、ボクと一緒にセルカンを倒そうジャナイカ・・・
そんな愛の言葉に、微笑むセネム。
ボクの口元は胡散臭いほどほころんでいるのになw・・・
ああ、あと五分もすればセネムの可愛い口から
オレへの罵声が鳴り響くのだろう。
そう。今宵、我らに睡眠の二文字はない。
さぁ、友よ。
憎しみの果てにある友情を探しに行こう。
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2015-09-18 04:54
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